Appleの「Link Tracking Protection(リンク追跡保護)」徹底解説

Google Analytics 4 GA In JP 2日前 11 ページビュー 0コメント

Appleは iOS 17 / macOS Sonoma からユーザーのプライバシー保護を大幅に強化しました。

その中でも最も注目すべき新機能のひとつが Link Tracking Protectionリンク追跡保護、LTP) です。

LTP は、広告計測、マーケティングのキャンペーン分析、UTM の解析、EC サイトの遷移導線など、多くの領域に影響します。

 

Link Tracking Protection とは?

LTP は、URL に含まれる「追跡用パラメータ(tracking parameters)」を自動的に削除する機能 です。

これにより、ユーザーが異なるサイト間で追跡されることを防ぎます。

Apple が「追跡パラメータ」と判断するのは次のようなものです:

  • クロスサイト、クロスプラットフォームで個別ユーザーを識別できる
  • “指紋(fingerprint)レベル” の識別と結びつくもの

例:

?<a href="https://www.gainjp.com/tag/fbclid" title="查看更多关于fbclid的文章" target="_blank">fbclid</a>=xxx   (Facebook)
?<a href="https://www.gainjp.com/tag/gclid" title="查看更多关于gclid的文章" target="_blank">gclid</a>=xxx    (Google 広告)
?msclkid=xxx  (Microsoft 広告)
?_gl=xxx      (Google 自動タグ)
?mc_eid=xxx   (MailChimp)

これらのパラメータは、特定の状況で自動的に削除されます。

 

どの場面で自動削除される?

シーン 追跡パラメータ削除
Safari プライベートブラウズ ✔ 自動削除
Messages(iMessage)でリンクを開く場合 ✔ 自動削除
Mail アプリでリンクを開く場合 ✔ 自動削除
Safari の「リンクプレビュー」 ✔ 自動削除
Safari 通常ブラウズ ❌ 削除されない(最も誤解されやすいポイント)

重要:通常の Safari ブラウズでは UTM など大半のパラメータは削除されません。

 

 

LTP が削除するパラメータ

現在確認されている削除対象の tracking パラメータは次の通り:

プラットフォーム パラメータ
Facebook fbclid
Google 広告 gclid
Google Analytics(自動タグ) _gl
Microsoft Ads msclkid
MailChimp mc_eid
HubSpot hsenc
Criteo ctag
Adobe 一部のカスタム UID(検知結果による)

LTP は固定のブラックリストではなく、「ユーザー識別につながるかどうか」 で判断します。

UTM パラメータは削除される?

削除されません。

以下のような一般的な UTM パラメータは問題なく残ります:

utm_source
utm_medium
utm_campaign
utm_content
utm_term

Apple はこれらがユーザーの識別ではなく「流入経路分析」に使われると判断しているためです。

広告計測・マーケティングへの影響

  • gclid / fbclid などの一意 ID が削除されると、広告のクリック計測が失われる
  • Google Ads の自動タグ(auto-tagging)には特に影響
  • Meta(Facebook)は fbclid 削除により最適化のシグナルが弱くなる可能性
  • DSP / ADX などのクリック ID を使う広告では、リターゲティングや頻度管理が不安定になる可能性

URL 依存の計測方式は今後ますます難しくなる方向です。

 

 

iOS 17 リリーススケジュール

  • 2023年6月:最初の開発者向けベータ版(Developer Beta 1)
  • 2023年7月:最初の公開ベータ版(Public Beta 1)
  • 2023年9月:正式版 iOS 17 リリース
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