GA4 にはページ滞在時間という指標がありますが、イベントがトリガーされるまでにユーザーが特定のページにどれくらい滞在したかを確認したい場合はどうすればよいでしょうか?
GA4 では現在、Elapsed time from last page request(最後のページリクエストからの経過時間)という指標が提供されています。
指標の定義
Elapsed time from last page request は、
ユーザーが最後に
page_view(ページリクエストイベント)を発生させてから、現在のイベントが発生するまでの経過時間(秒)を意味します。
つまり、ユーザーが同じページ上でどれくらいの時間を過ごして次のイベントを起こしたかを表す指標です。
具体例
ユーザーの行動が次のような順番で発生したとします:
| 時刻 | イベントタイプ | イベント名 | 説明 |
|---|---|---|---|
| 0秒 | page_view |
ホームページ訪問 | ページ読み込み |
| 5秒 | scroll |
スクロール | 同じページでスクロール |
| 20秒 | click |
ボタンをクリック | CTAボタンをクリック |
| 25秒 | page_view |
商品ページに遷移 | ページ遷移 |
| 30秒 | view_item |
商品詳細を閲覧 | 商品の露出イベント |
このとき、GA4 が計算する Elapsed time from last page request は次のようになります:
| イベント名 | 値(秒) | 意味 |
|---|---|---|
page_view(ホームページ) |
0 | ページリクエスト自体なので0秒 |
scroll |
5 | 前回のページリクエスト(ホーム)から5秒後に発生 |
click |
20 | 前回のページリクエスト(ホーム)から20秒後に発生 |
page_view(商品ページ) |
0 | 新しいページリクエストなのでリセット |
view_item |
5 | 前回のページリクエスト(商品ページ)から5秒後に発生 |
活用シーン
- ユーザー体験の最適化:特定のページ間で「Elapsed time from last page request」が特に長い場合、ユーザーがそのページに長く滞在している(コンテンツが魅力的、またはページの読み込みが遅い)可能性があります。
- ユーザー離脱の分析:時間間隔が長すぎる場合、ユーザーがページ間の移動時に問題に遭遇したり、注意が散漫になったりして離脱している可能性を示します。
- マーケティング活動の分析:たとえば、広告のランディングページから購入ページへの移動時間を分析し、広告の誘導効果を判断します。



